先日、知人からある職場に
新人の社員が入ったと聞いた。
曰く、初日に仕事があまりにも出来ず、
自分の不甲斐なさから、
泣きながら車を運転して帰ったとのこと。
仮に、その優男風の新入社員を
A君としよう。
A君は人柄も良く、
誠実で、真面目で、
誰からも好かれる人物らしい。
ただ、俺は聞いてて色々引っかかった。
誰からも好かれるということは、
いわゆる「イイヒト」なんだろう。
でも俺からすれば、「イイヒト」とは
どうでもいい人と解釈している。
つまり、誰から見ても当たり障りのない、
八方美人の優男ってなわけだ。
本人に悪気はないのだろうが、
心の奥底に「良い人でありたい」
という思いから、
そのような人格を形成しているのだろう
と思った。
つまり、A君の本来の性格は違うんだな。
世間ヅラを気にしながらつくった人格など、
奥には抑圧した人格が大体隠れてるからね。
「イイヒト」の対極にあるのは、
自由奔放で自分勝手なヤツだ。
わかりやすく言えば、
この記事を書いてる俺自身がそれに近い。
本来のA君の素の状態というか、、、
出したい人格はそれなんだけど、
仕事柄、新入社員だから体裁を気にして
建前で塗り固めたらいつの間にか
「イイヒト」みたいな人格を形成してたと。
まぁ、ある種の自己防衛本能だね。
出したい自分を出したら嫌われるから
それが怖いし、周りがどう反応するのか?
なんて考えたら耐えられない。
そうすると今回のように人格の抑圧で
対極にある「イイヒト」を演じてしまう。
そういう人が大体ローランドなんかの本を
有り難がって読んだりする(笑)
一種の憧れというか、
本来はそういう人格を内に秘めているから
本当は出したいのだろう。
(誰も止めてるわけじゃないのに…)
まぁ、A君は実際に良い人なんだろうけど、
初日の仕事帰りに泣くということは
相当自分を抑えて、感情を抑圧しないと
そうはならないからね。
逆に言えば、抑え込んだものが
違う形になって噴き出したとも言える。
たまに事件なんかで、
凄く良い人そうに見える人物が
殺人事件や通り魔を起こしてしまうのは
まさにそれに近いのではなかろうか。
まぁ、話は飛躍し過ぎたが、
社会経験も浅く、
人間関係も希薄なまま大人になると
本来の自分の出し方みたいなものが
わからなくなるらしい。
要するに、周りに合わせ過ぎると
イイヒトでありたい、嫌われたくない、
という思いから本来の自分を隠してしまう。
そうすると抑え込んだ
人格の出し方がわからず、
自分を見失う。
それともう一点だけ。
仕事の初日に思うようにいかず、
帰りの車でA君が泣いた件に関しては、
「自分はできる!」という過剰な期待から
現実を見せつけられて
そのギャップに苦しんで泣いたのだろう。
「自分はできる!」なんてのは
自信でもなんでもなく、
俺からすれば一種の囚われに過ぎない。
心が囚われている人は、
視野も狭く、周りが見えないから
ミスもするし、身体も硬くなる。
そんな状態でパフォーマンスを発揮するのは
プロのアスリートでも無理だろう。
心構えとしては、
「自分はできる!」←→「俺はまだまだ!」
この2つの中間でいるのが望ましい。
中立って言えばおわかりいただけるだろうか。
無意識でフラットな状態をキープできれば
心は柔軟になるから身体も強ばらない。
その状態なら思い通りに動けるし、
何かあってもその場、その場で
柔軟な対処ができる。
仕事とは元来、目の前のことをどう捌いて
どう処していくか?だと思うから。
身体で仕事を覚えるのはもちろん、
それ以前に心構えから
フラットな方に整えておくのが肝心だろう。
これは業界業種問わずだ。
話が長くなったが、
優男なんてのはやはり舐められるだけだから
個性全開、自分全開で生きるのが一番いい。
俺はそう思って毎日生きてます。
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